第1フェーズ:宅建業法

営業保証金と保証協会:お客さんを守る「供託」の仕組みを完全解説

営業保証金と保証協会:お客さんを守る「供託」の仕組みを完全解説

こんにちは、管理人の龍(りゅう)です。

宅建業法の学習もいよいよ中盤戦ですね。今回解説するのは、「お客さんを守るためのお金」のルールです。

もし不動産屋さんが倒産してしまったり、預けていたお金を持ち逃げされたりしたら、お客さんは大損をしてしまいます。そんな「万が一」の事態に備えて、あらかじめ国にお金を預けておく仕組みが「営業保証金」「保証協会」です。

この2つの制度、似ているようでルールが全然違います。試験でも「どっちのルールの話か?」を入れ替えてひっかけてくるので、表や比較を使って整理していきましょう!

この記事のポイント

  • 「営業保証金」は自力でお金を積むハードモード。
  • 「保証協会」はみんなで助け合うリーズナブルなモード。
  • 金額、期限、場所の3点セットを正確に覚える。
  • 還付(お金が支払われる仕組み)の流れは超重要。

1. 営業保証金:自力で国にお金を預ける方法

まずは基本となる「営業保証金」です。これは不動産業者が直接、供託所(法務局)にお金を預ける仕組みです。

預ける金額(供託額)

金額は非常に高額です。これを用意できない業者は営業できません。

  • 主たる事務所(本店):1,000万円
  • 従たる事務所(支店):1箇所につき500万円

例えば、本店1つ、支店2つの会社なら「1,000万 + 500万×2 = 2,000万円」を預ける必要があります。

開始までの流れ

お金を預けるだけではダメです。必ず「届出」が必要です。

step
1
免許を受ける(まだ営業不可)

step
2
最寄りの供託所に保証金を預ける(供託)

step
3
免許権者(知事や大臣)に届出をする

step
4
営業開始!

注意! 免許を受けてから3ヶ月以内に届出をしないと、催告(早くしてねという通知)が来ます。さらにそこから1ヶ月無視すると、免許を取り消されることがあります。

営業保証金のまとめ

「本店1,000万、支店500万」という大きな金額と、「供託→届出→営業開始」という順番をセットで覚えましょう!

2. 保証協会:安く、賢く守る方法

「2,000万円も用意できないよ!」という中小企業のためにあるのが「保証協会」です。ここに加入すると、預ける金額が約20分の1で済みます。

支払う金額(弁済業務保証金分担金)

保証協会に入る場合は、「分担金」という名前でお金を払います。

  • 主たる事務所(本店):60万円
  • 従たる事務所(支店):1箇所につき300万円ではなく、30万円
期限のルールが厳しい!

保証協会は「安く済む分、期限に厳しい」のが特徴です。

  • 加入時:入会しようとする日までに分担金を払う。
  • 支店を増やした時:増やした日から2週間以内に払う。

この2週間という期限を1日でも過ぎると、保証協会の社員としての地位を失い、高額な「営業保証金」を積まなければならなくなります。

「ムレ(60)のサ(30)さやき、2週間」

本店60万、支店30万。支店増設は2週間以内!

※保証協会は「ムレ(群れ)=みんなで入る」イメージで覚えましょう!

保証協会のまとめ

金額が格段に安くなる代わりに、「2週間以内」というスピード感が求められるのが保証協会です。

3. 徹底比較!営業保証金 vs 保証協会

試験で最も狙われる比較ポイントをテーブルにまとめました。ここが頭に入っていれば、この分野の半分は解けたも同然です!

比較項目営業保証金保証協会
お金を預ける先本店の最寄りの供託所保証協会
金額(本店/支店)1,000万 / 500万60万 / 30万
有価証券での支払い○(国債なら100%評価)×(現金のみ)
還付の限度額預けている金額まで営業保証金と同じ額まで

保証協会に預けるお金(分担金)は、現金でしか払えません。営業保証金は国債や地方債などの「有価証券」でもOKですが、保証協会はキャッシュオンリーです!

4. お金が返ってくる時(取戻し)のルール

廃業したり、保証協会に乗り換えたりして、預けていたお金が不要になった場合、返してもらうことができます。これを「取戻し(とりもどし)」と言います。

6ヶ月以上の公告が必要

いきなりお金を引き出すとお客さんが困るため、「お金を返すけど、文句がある人は今のうちに言ってね!」と官報に載せる必要があります。これを「公告(こうこく)」といい、6ヶ月以上の期間を設けなければなりません。

例外! 以下の場合、公告なしですぐにお金を取り戻せます。

営業保証金から保証協会に乗り換えたとき

取戻しができるようになってから10年が経過したとき

取戻しのまとめ

原則は「6ヶ月待つ」。でも「保証協会への乗り換え」なら、お客さんは協会に守られているから、すぐ返してもらってOK!と覚えましょう。

まとめ:複雑な数字は「どっちの制度か」を常に意識

「営業保証金」と「保証協会」は、宅建試験の中でも数字のひっかけが非常に多い分野です。

【龍の必勝戦略チェック】

  • 自力(営業保証金)は「1,000万/500万」。
  • みんなで(保証協会)は「60万/30万」。
  • 保証協会への乗り換えは、公告なしで取戻しOK!
  • 保証協会は「現金のみ」!

この分野で得点を稼ぐコツは、問題を読んだ瞬間に「あ、これは保証協会の話だな」と頭の中のスイッチを切り替えることです。比較表を何度も眺めて、違いを整理しておいてくださいね。

次回は、宅建業法の中でも非常に重要な実務ルール「媒介契約」について解説します。一般・専任・専属専任の違い、しっかりマスターしましょう!

「宅建業法:媒介契約の種類とルール」の記事へ進む >

Next Action

今すぐやること:

真っ白な紙に「営業保証金」と「保証協会」の金額(1,000/500、60/30)を書いてみてください。そして「保証協会は現金のみ!」と赤ペンで書き加えましょう。これで暗記の土台はバッチリです!

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